
東日本大震災の発生から10年。
昨年の3月11日にも書いたように、私が民間企業のみならず、自治体組織を支援する仕事を大切な柱として選んだ理由が震災です。
発災時・直後、そして、復興への過程で大変な使命感と多大の苦労をもって地域のために尽力された自治体職員の皆さんの力になりたいという思いは、今も変わりません。自治体組織は、大切なインフラそのものです。
数年前、とある被災地(県)で「仕事の管理手法」に関する研修後、監督者の方が演台に来てくれたことがあります。
「とても良い話でした。ありがとうございました。でも、今の状況では、どうしようもないのです。予算10倍、人員2倍で、部下がバタバタと倒れていくのです。私が先頭に立って引っ張っていかなければならないのです。どうしようもないのです」
私に回答を求めるのでもなく、ただ、自分に言い聞かせるように話されていたのを、鮮明に覚えています。
私は、ご質問・ご相談を受けることを好みます。(僭越ながら)現場の課題を明らかにし、解決の糸口を探るお手伝いをすることが私の使命と考えているからです。そんな私でも、返す言葉がありませんでした。ボランティアに赴いた際に、被災者の方が語る日常の思い出をお聞きした時と同じように。
「私は現実に対して無力である」
これは私自身への戒めです。いい気になるな。何ほどの者でもない。でも、出来る限りのことをする。
思いを新たにする3.11です。
震災で亡くなられた方々に哀悼の意を表し、14:26黙祷します。
Life goes on.
昨年のポスト「それぞれの9年」
組織開発コンサルタント 後閑徹